ハンドメイドやEC物販事業など、個人がネットを使ってお金を稼ぐ人が増えて来ました。
私もその一人で、輸入物販やクラウドワーカーとして働き、収入を得ています。
ある程度の収入を得られるようになった方の中には、開業届を出して個人事業主になる方も多いかと思います。
しかし、何となく「開業届とは、仰々しいものだ」「難しそう」と考える方も多いのではないでしょうか。
私は2023年初頭に開業届を出し、個人事業主となりました。
実際に出した感想としては、「めちゃくちゃ簡単だった」です。
他のブログでも「開業届の出し方」等はたくさん見かけます。
ですので、この記事では実際に自分が出した方法。
「開業届を郵送で出す方法」に特化して、説明していきます。
【この記事で分かること】
・開業届を郵送する方法!
・郵送する時の注意点
開業届の提出方法は?
開業届の提出は、
・実際に税務署に行き、提出する「窓口提出」
・書類を税務署に送る「郵送提出」
・スマートフォンやPCを使ってネットで提出する「電子申請」
…といった提出方法があります。
今回この記事で説明するのは、郵送提出のやり方です。
何故、電子申請ではなく郵送で開業届を出すのか?
電子申請はネット一本、マイナンバーカードとスマホさえあれば家で提出できる便利な方法です。
しかし、電子申請の唯一の弱点は「受付印が押された控え」を入手できないこと。
この「受付印が押された控え」(以下、「控え」)が欲しくて、私は郵送で提出しました。
「控え」は要所要所で必要になることがあります。
例えば、ビジネス用の銀行口座を開設する時や、融資を受ける時などです。
「この人は詐欺ではなく、個人でビジネスをしている人だ」と確認するための書類になります。
電子申請の場合は、ネット(e-tax)上での受信通知履歴が「控え」となりますが、「受付印」は押されていません。
そのため、「受付印が押された控え」と同等の効力を発揮しない場合がありますし、受信通知履歴を印刷したうえで別の書類をプラスで提出しないといけないこともあります。
もちろん、電子申請でも開業届を提出したと証明はできます。
しかし、たいていのサービスは「紙ベースの『控え』が無い場合、どうすれば良いのか」を、いちいちヘルプなどを見て調べなくてはいけません。
これらを考えると、最初に手間はかかるものの、「控え」を貰える、窓口もしくは郵送で提出した方が楽ではないでしょうか?
後ほど発行をお願いすることもできますが、手数料として300円がかかってしまいますので、最初に手間もお金もまとめた方がお得ではないでしょうか。
※窓口ではなく郵送にしたのは、私は「バーチャルオフィスの住所」を納税地にしており、実際に住んでいる家から税務署が遠いためです。
以下からは実際に開業届を作り、送る流れを説明していきます。
開業届を作ろう!
まずは提出するための、書類を作成しましょう!
freee開業を使えば数分で開業届が作れます!
自分で白紙の開業届を印刷してペンで記入していく必要はありません。
freeeの会員登録が必要ですが、最初から最後まで、無料で使用することができます。
(会計ソフトも無料で触ることができるので、登録して損はないと思います。)
順番通りに埋めていけば簡単に作れます!
(使い方等は希望が多ければ、別記事で作成します。)
今回は郵送で提出しますので、提出方法は「郵送」にチェックを入れて進めてください。
開業届と青色申告書を印刷しよう!
freee開業の「③書類を確認しましょう」の「書類を確認する」を押すと、PDFファイルが開きます。
家にプリンターが有るなら印刷、無いならダウンロードしてコンビニ等で印刷しましょう。
コンビニ各社対応のネットプリントに、ダウンロードしたファイルをアップロードして、コンビニのコピー機で印刷できます。A4サイズの白黒で大丈夫です。
・セブンイレブン:https://www.printing.ne.jp/support/lite/index.html(外部リンク)
・ローソン、ファミマなど:https://networkprint.ne.jp/sharp_netprint/ja/top.aspx(外部リンク)
必ず印刷するのは、以下の2枚。
・個人事業の開業・廃業等届出書
・所得税の青色申告承認申請書
1ページ目のfreeeの説明は、記入する場所が分かる場合は印刷しなくても大丈夫です。
ただ、そのまま切って貼って送れる便利な宛先ラベルが付いていますので、印刷するのをオススメします。
4,5ページ目はそれぞれの書類の控えです。
「受付印が押された控え」が必要ないなら、印刷する必要も、送る必要もありません。
逆に「控え」が欲しい場合は、必ず印刷して同封するようにしてください。
印刷ができたら、書類に記入したり、ハンコを押したりして行きます。
印刷した書類に記入しよう!
freee開業の画面の案内や、PDF1ページ目の説明とも被ります。
開業届
・提出日を記入する
・印鑑を押す
・マイナンバーを記入する
PDF1ページ目の説明には何故か書かれていませんが、提出日の記入も必要です。
郵送の場合は「郵便局に持って行った日」or「ポスト投函日」が提出日になります。
※開業届は基本的に「開業から1ヶ月以内に提出するように」となっています。
自分で決めた「開業日」から、提出日が1ヶ月を過ぎないように注意してください。
「都合が悪くて今日も郵便局に行けなかった…」を繰り返していると、いつの間にか過ぎている可能性もあります。作成したら早めに提出するか、余裕をもった開業日を設定しておきましょう。
開業届の控え
・提出日を記入する
・印鑑を押す
開業届に書いたのと同じ提出日を記入し、ハンコを押します。
控えにはマイナンバーは書かなくて大丈夫です。
書いても問題はありませんが、他の企業にコピーして提出する際、マスキング(隠す)処理をしないといけません。手間なので書かない方がベターです。必要になったら書けば良い。
青色申告書、その控え
・提出日を記入する
・印鑑を押す
青色申告書は、提出日と印鑑の2点のみです。
控えも同じ2箇所を記入してください。
郵送に必要なものを揃えよう!
用意するもの
・郵送用の封筒
・個人事業の開業・廃業等届出書
・所得税の青色申告承認申請書
・マイナンバー確認書類
・身分証のコピー(※マイナンバー確認書類次第)
(↓控えが欲しい場合↓)
・「個人事業の開業・廃業等届出書」の控え
・「所得税の青色申告承認申請書」の控え
・返信用封筒
・切手
※郵送の場合、「受付印が押された控え」は、返信用の封筒、切手、控えを同封して送る必要があります。
同封しない場合、控えは発行されませんので、忘れずに入れましょう
【郵送用封筒】サイズや種類は何が良い?
A4用紙を折らずに入れられる角2封筒か、A4用紙を三つ折りで入れられる長形3号がオススメです。
用紙が入れられて送れれば、手元にある封筒でもOK。
色は白でも茶色でも水色でも大丈夫です。
(ちなみに、税務署から来る郵便物は茶封筒で来ています。)
私は家にあった、100均で買った茶色の角2封筒を使用しました。
A4用紙を折らずに入れられますので、綺麗な状態で税務署に届くのが利点かなと思います。
郵送用封筒に記載するのは、
・納税する税務署の住所と宛名
・自分の住所と宛名
・「開業届在中」と記載する
の3点。
もちろん自分で書いてもいいのですが、freee開業で作ったPDF1ページ目の宛名を切って貼れば楽ちんです。
【マイナンバー確認書類】コピーを同封する
マイナンバーの確認のため、マイナンバーが記載された書類を提出する必要があります。
・マイナンバーの通知カードのコピー(表裏)
・マイナンバーカードのコピー(表裏)
・マイナンバーが記載された住民票
以上のいずれかを提出する必要があります。
マイナンバーカードなら本人確認書類と兼ねることもできます。
マイナンバーカードをお持ちの方は、カードのコピーを提出する楽です。
家にスキャナー&プリンターが無い場合、コンビニ等でコピーしましょう。
最近は1枚分の値段でカードの表裏を、同じ紙に並べて印刷することができます。
【本人確認書類】コピーを同封する
本人確認のため、運転免許証やパスポートといった身分証のコピーを提出する必要があります。
ただし、マイナンバー書類としてマイナンバーカードのコピーを提出する場合は、本人確認書類を提出する必要はありません。
【マイナンバー確認書類で…】
・マイナンバーカードを提出した
→本人確認書類の提出は必要無し
・通知カード、住民票などを提出した
→運転免許証やパスポートのコピーを提出する必要がある
(控えが必要な場合)【返信用封筒】自分の宛名を書いて同封する
開業届や青色申告の控えが欲しい場合は、「自分の住所氏名を書いた返信用封筒」を書類と一緒に同封しましょう。
宛名は自分の住所氏名です。
開業届に書いた事務所か、自宅住所宛が良いでしょう。
宛名の敬称は「行」と書きます。
(自分に「様」は付けない)
ちなみに、切手をあらかじめ封筒に貼っておくと、紛失の恐れが無くなります。
返信用封筒の種類やサイズは何がいい?
返信用封筒のサイズは、郵送用封筒と同様に、A4用紙を折ってでも入れられる大きさなら何でもOKです。
個人的には長形3号(A4用紙三つ折り)がベターかと思います。
何故かというと、定型内郵便で、送料が安いからです。
・長形3号(A4三つ折り):定型内郵便、25g以内84円
・角2封筒(A4そのまま):定形外郵便、50g以内120円
(※2023年3月時点)
書類を送る時は、書類5~6枚+返信用封筒と送るものが多いです。
しかし、返送されて来るのは「開業届の控え」「青色申告書の控え」の2枚のみです。
厚みも重さもありませんので、三つ折りで入る長形3号が、切手代も安く済むので良いかと思います。
もちろん、「2種類の封筒を買いたくない!」とか、
「控えを折られたくない!」と言った場合は、角2封筒を使うと良いでしょう。
(控えが必要な場合)【切手】84円切手を1枚用意する(※2023年3月時点)
返信用封筒のサイズが定形か定形外かを確認して、料金分の切手を用意します。
長形3号なら、84円切手で十分です(※2023年3月現在)。
仮に重量オーバーになり料金が足りなくても、支払うのは受取人の自分のため、最悪届きはするはず。
上でも書きましたが、切手は返信用封筒にあらかじめ貼っておけば、紛失の可能性がありません。
また、普通郵便はまれに紛失することがあります。
特に、年賀状で忙しい年末年始などの時期は、「届かない!」という声をよく聞きます。
もし紛失が不安なようでしたら、返信用封筒と切手の代わりに、レターパックを同封すると良いと思います。
書類印刷~郵送するまでのまとめ
・全ての用紙に提出日を記入する
・全ての用紙に印鑑を押す
・開業届にマイナンバーを記入する
・マイナンバー確認書類をコピーする
(・本人確認書類のコピーを同封する)
・返信用封筒に自分の住所氏名を書く
・切手を用意し、返信用封筒に貼る
開業届を送ろう!
書類や封筒の用意ができたら、ようやく税務署に郵送しましょう!
切手を貼ってポストに投函しても、郵便局の窓口から送ってもOKです。
ポスト投函する場合は、封筒のサイズが定型or定形外か、重さなどをしっかり確認してください。
オススメは郵便局の窓口から送付する方法です。
理由は2つあります。
1つは「切手の料金が足りなかったら返送される可能性があるため、窓口で出した方が安心なため」。
2つ目は「特定記録のオプションを付けて発送するため」です。
開業届の郵送方法は『特定記録』を付けるのがオススメ!
開業届を送る際は、郵便局の窓口で「特定記録」のオプションを追加して送るのがオススメです。
特定記録は+160円で付けることが出来ます(※2023年3月現在)。
私は角2封筒(書類5枚、長形3号封筒+切手1枚)で計280円で郵送できました。
なぜ特定記録がオススメなのかというと、以下の理由です。
配達の記録が残る
引き受け〜郵便受けに投函されるまでの記録が残ります。
また、追跡番号が発行されるため、Web上で届いたかどうか確認することができます。
普通郵便は安いですが、紛失されることもあります。
住所氏名やマイナンバーなどの個人情報たっぷりの書類を郵送するので、万が一紛失したら怖いですよね。
その点、特定記録はちゃんと届いたことが明確に分かりますし、紛失しても「どの時点で紛失したのか」が分かるため、捜索や発見がしやすくなります。
普通郵便よりも、特定記録で送った方が安心・安全!だと思います。
切手の料金の不足が起こらない
特定記録を付けるには郵便局の窓口に行く必要がありますが、その場で測って料金を支払うため、料金の不足が起こりません。
対して、切手を貼ってポストから差し出した場合、大きさの確認ミスや予想より重量があり貼り付けた切手では料金不足になる可能性があります。
集荷時点で料金不足が発覚して返送されればまだ良いのですが、そのまま税務署に料金不足のまま配達された場合は、間違いなく受け取られずに返還されると思います。
集荷時点で発覚すれば料金はかからず、不足した金額分の切手を貼って再度投函すればOKです。
(例:82円切手で送って2円不足した場合、2円分の切手を貼れば再送できる。)
しかし、一度相手方に配達されてから返還されてしまうと、切手の料金は消費されたことになり、改めて送るためには全額支払い直す必要があります。
(例:82円切手で送って2円不足した場合、元から貼ってあった82円には既に消印がついてしまうため、改めて84円分の切手を貼り直す必要がある。)
切手を貼ってポストから投函するのが一番手軽ですが、万が一が起きたら逆に手間になってしまうため、特定記録は付けなくても郵便局の窓口から差し出した方が良いかと思います。
クリックポストではダメなの?
追跡が付いて、特定記録で送るより安い(※)し、ポスト投函できるクリックポストで送れば良いのでは?
(※2023年3月現在、185円)
と、配達方法に詳しい方は思うかもしれません。
ですが、こちらは禁止されています。
納税関係の書類を始めとした各種申告書は信書に当たることから、下記のサービスにおいては送付できませんのでご了承ください。
(中略)
>クリックポスト
日本郵便「信書の送付について(外部リンク)」
開業届は「信書」に該当するため、クリックポストでは送ることが出来ません。
追跡を付けたいなら、特定記録やレターパックを使用する必要があります。
レターパックは360円かかりますので、今回くらいの書類量なら普通郵便の料金+160円で送れる特定記録の方がオススメです。
送付したら、1週間~2週間待つ!
ポスト投函or窓口から書類を送付したら、数日~2週間程度、返送されて来るのを待ちましょう。
大体、税務署に届くまで1~3日、開業届の受付処理に数日、税務署から返送先に届くのに更に1~3日程。
税務署の忙しさによっては遅くも早くもなるでしょうし、返送方法に普通郵便(切手を同封)を選んだ場合は土日の配達がありませんので、その分更に遅くなります。
毎日ドキドキしながら郵便受けを覗いて、到着を待ちましょう。
もし2週間以上経っても届かない場合は、税務署に電話して確認してみてください。
開業届を郵送するのに掛かった費用
・印刷代(開業届、青色申告、控え×2、freeeの用紙):20円×5枚=100円
・コピー代(マイナンバーカード):10円
・切手代:84円
・封筒代(角2封筒):110円÷10枚=11円
・封筒代(長形3号):110円÷20枚=5.5円
・郵送料(定形外120円+特定記録160円):280円
合計:490.5円
実質ワンコインで提出することができました!
封筒を持っていない場合は、最低1種類買う必要があるので、+100円。
逆に家にプリンター/スキャナーがあれば印刷代は減らせます。
電子申請ならワンコイン分の出費はありませんでしたが、代わりに控えが手に入りません。
どちらが良いかは人次第かと思いますが、郵送提出は難しくもありませんし、控えも簡単に手に入りますので、ぜひご検討ください!